Statue #1
~スタチュー(人間彫刻)パフォーマンスとは?~

演技中になにを考えているのか?
 どんな空間を創りたいのか?
 など、パフォーマ-の視点からつづります。

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 第1回・白リーマンの場合。

ここ最近、スタチューでのパフォーマンスのお仕事が増えました。
は、ストリートでは白リーマンが出来る前からスタチューをしてきました。現場の積み重ねで、自分なりの技術、見せ方の引き出しを作ってきました。


どんな事が出来るか、どんな技術の難しさがあるかが。


少しでも私なりのスタチューの技術を紹介したいと思います。


自分のスタチューでは、以下の4点を心掛けています。


 1・「フック」・・視覚上のひっかかり
 2・「テンション」・・緊張感の持続
 3・「コミュニケーション」・・緊張を緩め、笑みを
 4・「ブレイク」・・スタチューとしての演技を壊します


これらは、そのままパフォーマンスの流れにもなっています。
以下にご紹介していきましょう。

 1・「フック」


白リーマンが台の上におもむろに立ちます。
全身真っ白の会社員というキャラクターが、何の説明もなく立っています。
たちまちそこに違和感が発生します。
居合わせた人々が、「なんだ?」と足を止めます。


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 2・「テンション」


モノかヒトか? 正体を確かめたいというお客さんの気持ちをなるべく長い時間キープさせねばなりません。
しかし、ずっと止っていれば良いというのでも無いのが難しいところです。
多くの方は、動かないモノを注視し続けられません。
適当なところで動かないと「分からない」とつぶやきながら離れられてしまいます。


しかし、動きの構成に工夫が無いと「ああ、ヒトだ」で、やはり去られてしまいます。
動きだしのタイミングと動きの手順。
この二つが、観ているお客さんの様子をこちらも観ながら、うまくハマるように気をつけます。


そんなふうに静止と動きを、ギリギリ小出しに繰り出します。
また、あるときは大きく動き、あるときは不安的なポーズで唐突に止まり・・・と緩急をつけ、先を予想させない緊張感(テンション)を作ろうとします。


これらを、なるべく観ている方々と現場の雰囲気に合わせて変えるのです。


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 3・「コミュニケーション」


先のテンションが質の高いものになれば、白リーマンが人間らしい表情を作ったり、お客さんと握手をしたりしたときに、緊張がくずれて<笑み>が、起こります。
上記1・~3・を味わっているお客さんの様子を観たい、その他のお客さんを増やすことが、僕のホントの狙いです。


「白いスタチュー」が、1人のお客さんの魅力的な個性を引き出せたとき、周囲のお客さんの和やかな笑みも引き出せます。
これが次々と成功すればお客さんが増え、輪ができます。


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 4・「ブレイク」


演技時間終了となると、白リーマンは携帯に呼び出しがかかり、お立ち台から去っていきます。
ウォーキングアクトの演技で「素」には絶対にならず、キャラをキープしたまま、どこかに行ってしまいます。
自販機で缶コーヒーを買って、飲んでいるときもあります。


お客さんの滞留時間が予想よりも続いたときも、マンネリを避けるために、敢えてお立ち台から降りて缶コーヒーを飲んだり、携帯でのお喋り(無言ですが)を挟むこともあります。


適度なタイミングでブレイクを挟むことで、鑑賞(?)時間が延びるのです。


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 <結びに>


長文になってしまいましたが、白リーマンはこうしてます。
スタチューは、高度な注意力と忍耐力が必要な、ハードなパフォーマンスなのです。


僕は、白リーマンでは他に「ウォーキングアクト」、クラウンでは「バルーンショウ」、そして最近始めた「ネンドマン」とあわせて4つのスタイルがありますが、実はこの「スタチュー」が一番疲れます。
そして、難しいのです。


とくにネタがあるわけでもないのに、自分が固定したまま、お客さんとの関係性を即興で作り続けるわけですから。見た目はそんなでもないようですけどね。


次回は、実際に今までどんな現場でどんな演技をしたか、を書いてみたいと思います。

つづき #2:いままで、こんなことを。