パフォーマーShiva about statue

スタチューの技術

ここ最近、スタチューでのパフォーマンスのお仕事が増えました。私は、ストリートでは白リーマンが出来る前からスタチューをしてきました。現場の積み重ねで独自に見つけた技術を、ご紹介したいと思います

「白リーマン」のスタチューは、お客さん参加型のゲームです。

「給料100円」と書いたプレートと金色の小さなバケツを置いて、台に足をかけます。スローモーションで台の上に立ったら、もう動きません。

やがて誰かが100円玉を入れてくれます。その音に小さなヤッター!という表情と小さなガッツポーズを作ります。

それまで微動だにしなかった石像の白リーマンを見つめていた人々には、緊張が弾けた笑いが生まれます。

その後も白リーマンのスタチューは、緊張と笑いを交互に作ってゆきます。

お客さんの中には、じゃあこれならどうだ?と10円や1円を入れる方もいます。白リーマンは、あきらかに落胆したリアクションでウケを取ります。

お札が入った時には、スローモーションで台から降りて、おもむろにバケツから紙幣をつまみ、透かしをチェックして満悦の表情で胸ポケにしまいます。

やがて、

あの人の次は私が。 そういう「順番を待っている」お客さんが現れます。それは台の上から俯瞰している僕だけが知っている、ひそやかな愉しみです。

ちなみにこの「給料100円」は、営業ではやりません。スタッフもBGMも無い状況から、

『シバさん、ぽんぽん(お金が)入るなぁ』

と同業者がいう状況に空間を作ってゆくのは、ストリートならではの醍醐味です。

僕は、お客さんが自主的に「ゲームに参加」してくれる場を作りたいのです。

他のパフォーマーたちを見ていても、やはり良いパフォーマンス空間というものはお客さんの素の反応をちゃんと受け止めています。

1人1人のお客さんの素の面白さを、引っ張り出す。それが、僕のやりたい仕事です。 ただし、ゲームの「親」である僕には責任があります。そこで起こるあらゆる事に(不条理な事も含めて)責任を負います。

痛い目にも何度も遭っています。甘くありません。でも、楽しいです。最高の仕事だと思っています。

ハプニングも待っている現場を楽しむためには、細かな工夫やテクニックが必要です。メンタルのコントロールも含めて。

つたない言葉ですが、それらを少しずつお伝え出来ればと思います。

読んで下さり、ありがとうございました¥